拝啓、素敵なあなた様へ
PHOTO BY GIRLY DROP
こんばんは、柚木ゆうら(yzk0829)です。
突然ですが、あなたはファンレターを書いたことがありますか?
私は、あります。
当時、高校生だった頃。
どうしようもなく大好きな作品が舞台化されて、なけなしのアルバイト代をはたいて地方から東京の劇場へと通いました。
高校生のアルバイト代なんてたかがしれてますから、それこそほとんどのバイト代を舞台観劇に費やしたと言っても過言ではない。
地方から東京に出る場合、交通費もかかります。
加えて、舞台のチケット代もかかります。
でも、アルバイト代をはたいてまで、時間を費やしてまで、観たかった舞台があった。
今思えば、あそこまで情熱を注ぎ、青春を捧げたものはなかなか無い。
あれほどまでに真剣に見入って、魅入られたものも無い。
それぐらい、当時の私にとっては大事な舞台であり、ある種の生きがいでした。
高速バスに揺られ数時間、人の多い東京につき、どこから沸いて出たのかさらに人口密度を増した劇場で。
2時間強、演者たちが繰り広げる舞台に見入った。
そこで出会ったのが、当時私が大好きだった作品の登場人物を演じる、とある俳優さん。
元々原作に出演するその登場人物が好きだったから、舞台化が決定したときに「本当にあのキャラクターを演じることができるんだろうか?」といささか不安を抱いていた。
でも、期待半分、不安半分で観劇した私は、そのキャラクターが出てきたとき、世界が一瞬で変わるのを体感した。
(あの大好きなキャラクターが!動いてる!しゃべってる!!同じ空間にいる…!!!)
原作から飛び出てきたのではないかと思うほど、自然に空間に溶け込んでいた。
大好きな作品の、大好きな人物がそこには存在していたのだ。
俳優さんがキャラクターに寄せているとか、そういうのではなくて。
俳優さんそのものが、もはや原作のありのままのキャラクターだった。
あの時の感動は、今でも忘れない。
それからしばらく、大好きなキャラクターを演じた俳優さん自身にも興味が沸くようになって、俳優さんが出演する別の舞台を観劇するようにもなった。
どんどん舞台を観るのが楽しくなってきて、一時期、観劇のパンフレットやちらしまみれになった分厚いファイルを所持していたほど。
それほどまでに、舞台は楽しかった。舞台に魅入られた。
舞台の楽しさを教えてくれたのは、大好きな作品のキャラクターを演じてくれた、俳優さんその人だ。
そして、飽きもせず毎回一緒に観劇してくれた、遠征仲間の友人の力もある。
もうお気付きだろうが、私が人生で初めてファンレターを書いたのは、当時大好きだったとある俳優さん。
ファンレターの書き方なんてもちろん最初は知らなかったけど、何枚か書くうちに慣れてくるもので。
常識的な範囲内とは言えども、結構な熱量のこもったファンレターを書いていたと思う。
基本的には舞台の感想だったり、演者のどんなところ(演技)が好きだったりとかを書いていた。
好きな俳優なり芸能人にファンレターなんて、自己満足と言われればそうかもしれない。
でも、あなたが好きな俳優や、芸能人、作家だってひとりの人間だ。
自分がかかわった作品の感想や、好意的な意見を言われて、嬉しくないことなんてない。(はず)
それは芸能人じゃなくて、身近な人にも言えること。
友人、恋人、家族、縁あって繋がっている人。
大切な誰かに、会話ではうまく伝えられないとき。
『ありがとう』や『すきだよ』の気持ちを込めて、手紙を送ってみるのもいいかもしれない。
思っているだけでは、伝わらないことも結構ある。
口に出して言うのが難しかったら、言葉にしてえいやっ!て手紙にしちゃうのも一つの手。
伝わってほしいなら、まずは自分から伝えていこう。